There I sense something / Art book

そこにある何か / アートブック

¥8,800
思わず「書籍がプロダクトデザインされると…」という言葉が頭をよぎる。これはいわゆるブックデザインの文脈を超えて、プロダクトデザインされた本と言っても言い過ぎではない。そんな本を作りました。

プロダクトデザイナー 寺内ユミが手がける「現代に生きる伝統工芸」を通して、日本の工芸の真摯なものづくり、技術に支えられた手仕事の軌跡をたどります。
海と山に囲まれた豊かな自然はその土地ならではの風土や文化を生み、日本人の繊細な美意識を育んできました。そして古より、暮らしの中で愛着を持って使われてきた美しいものがあります。伝統や風習を尊重しながら、それらとともに、本質—そこにある何か—を捕らえること、自然や情景、美意識を大切にプロダクトを生み出している寺内ユミ。

会社設立20周年を機にアートブックとして出版しようと思い立った寺内が声をかけたのは、誰よりも「感性のツボが近い」と感じていたプロジェクトエディターの松浦麻沙子氏。そして松浦氏が最も信頼するフォトグラファー越谷喜隆氏も仲間に加わりプロジェクトがスタートしました。

この本に収めた写真は、寺内と越谷氏が秋田から佐賀まで自動車で巡って撮影したものです。時折合流してくださった松浦氏とともに、素材に魅了され、手仕事に感動するという工房での体験はもちろんのこと、山に入ったり月が出るのを待ったり、その土地土地の空気を感じられた時間は本当にかけがえのない経験でした。特に偶然の出逢いを大切にする越谷氏の姿勢は尊敬の一言です。その感性に、ぜひ本書で触れてください。

この本の主題は「工芸作品」だけではありません。作品を生み出した「技」、取り巻く「環境」、伝統を繋いできた人の「想い」ーー。
それらすべてがここに至るまでに積み上げられてきた「本質」そのものであり、ページをめくることでそれが感じられる本を目指しました。

造本は、各ページの上部が開いた袋とじ特殊な製本を採用しています。これは和綴から着想を得て「福を取り入れる(下から落ちない)」という日本の伝統的礼法を取り入れたもので、ふんわりと柔らかな紙とともに全体に優しい印象をもたらす要素にもなっています。

日本の地域ごとで育まれてきた繊細で細やかな手仕事が支える工芸を通して「日本」や「日本人」の深さと豊かさを改めて感じることで、日々の生活に少しでも心地よい時間が訪れることがあったらこんなに嬉しいことはありません。


2022年日本自費出版文化賞”大賞”受賞。

製作
企画:寺内 ユミ
プロジェクト編集:松浦 麻沙子
写真:越谷 喜隆
ブックデザイン:宮添 浩司
英語翻訳:ココ マスダ
印刷・製本:株式会社八紘美術

MATERIAL:Paper
COUNTRY OF ORIGIN:Made in Japan
SIZE:W210mm×H275mm×D36mm

There I sense something / Art book

¥8,800

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